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ここは、国法研の活動内容について説明しているページです。
国際法模擬裁判とは?/ 活動内容/ 何が得られるのか/ 国際法とは

神大国法研は、国際法模擬裁判に参加することを目的として発足したサークルです。
以下では、私たちの主な活動である「国際法模擬裁判」について、ご説明します。
また、「国際法」とは何なのかについても、簡単に説明しています。

国際法模擬裁判とは?


国際法模擬裁判とは、国際司法裁判所(ICJ)における裁判を、架空の問題を用いて再現するゲームです。
参加者は、国家の弁護人となって当事者のために法律論を組み立て、裁判形式で論争を展開します。

例えば、A国が、以前から不仲だったB国に攻め込み、B国の一部を占領したとします。
話し合いでの解決に応じないA国に業を煮やしたB国は、その反撃として、A国の軍需工場に電力を提供している疑いのあった 水力発電所のダムを爆破し、その結果ダムの下流では、洪水で死傷者数百名、畑は全滅という多大な被害を受けてしまいました。

もし貴方がB国の弁護人なら、どのようにA国の責任を追及するでしょう?
そもそも、先に攻めてきたのはA国であり、わが国も多大な被害を負っている。幾度の和平交渉にもA国は応じなかったではないか。自衛権は国連憲章でも認められている、国家の権利である…

逆に、もし貴方がA国を弁護しなければならないとしたら、どうすれば良いでしょうか?
爆破されたダムが軍需工場に電力を送っていたという確実な証拠は無かった。仮に事実だとしても、爆破までする必要があったのか?送電線を切れば十分だったのではないか?A国が攻め込んだ際の被害と、ダム爆破の被害とでは後者の方が圧倒的に大きい。これは自衛権の範囲を超えているのではないか…


上の例は、実際に私たちが出場した大会の問題を一部改変したものです。
皆さんは、このように国家を弁護するために、自分達の主張を作り上げていかねばなりません。
そのために、綿密に資料を調べ、「メモリアル」という裁判所提出書面を作成し、裁判所で裁判官に対して自国がいかに正当であるかという弁論をします。これが、国際法模擬裁判です。
模擬裁判は、法律学を理解するためにもっとも有効な教育手段の一つとして、世界中の大学で広く行われています。

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活動内容

主に、夏に"Asia Cup"、冬に"Philip C. Jessup International Moot Court Competition"(通称Jessup)という二つの国際法模擬裁判大会に向けて勉強しています。

そのための準備として、国際法の基礎知識に関する勉強会、書面作成、弁論練習といったことを行っています。
各自で資料を集め、レジュメを作ったりして、メンバー全員で議論しながら進めます。

上記の大会についての詳細は、以下の主催学生団体のHPを参照してください。(カッコ内は主催団体名)
Asia Cup(ILSEC)→
Jessup(JILSA)→

国際法というのは学問であって、勉強しなければそうやすやすと理解できるものではありません。
したがって、活動日以外にも自分で勉強する必要があります。
しかし、この「自分で学ぶ」ということの楽しさは、大学でこそ味わうべきものでもあります。
意欲さえあれば、大丈夫です。大歓迎です。


やればやるだけ、自分の糧となっていくサークルです。

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何が得られるのか?

1.法的・論理的思考能力
法は、覚えるだけでは何の役にも立ちません。それを使うことができて初めて、法は意味を成します。
しかし哀しいかな、大学での授業の多くはこの「使う」ということを学ぶ前に終わってしまいます。
現実の社会において法がどの程度機能しているのかを見極め、そして私たち自身がどのように法を使っていくか。
社会に出たとき必要となるのはこれらの能力です。
感情に流されず、法的観点から理論を組み立てることにより、自己の視野が大きく広がり、論に説得力を与えます。
法的・論理的思考力は国内法を勉強する上でも必須の能力です。


2.弁論能力
せっかく素晴らしい論が出来ても、それをうまく人に伝えるにはまた別の技術が必要です。
模擬裁判では実際の裁判形式で討論を行うため、明瞭かつ説得的な話し方、とっさの機転、度胸も身につきます。
これらプレゼンテーション能力は、模擬裁判に限らずいかなる場面でも貴重な能力となります。

3.英語力
日本以外の国が数多く関係してくる国際法を扱う以上、英語の文献を読む機会が多々あります。
また、メモリアルという訴状を提出する際の使用言語も基本は英語です。
せっかく大学受験で培ったその英語力、腐らせたらもったいない!
英語を学ぶための英語ではなく、法律を学ぶための英語に触れることにより、また違った世界をかいま見ることができます。

4.単位
国法研で模擬裁判に参加した方は、法学部の専門科目の単位が2単位ずつ、最高4単位までもらえます。
詳しくは濱本教官の社会問題自主研究の掲示を見てください。(リンクから飛べます)
授業4単位分の勉強が出来てしまうサークル、ちょっとすごくないですか…?

5.資料収集力
情報が氾濫する時代、自分の求める資料を集めるにはコツが必要です。
神大国法研では、論文や本の探し方、図書館の活用方法に資料室の場所まで、丁寧にお教えします。
一見地味ではありますが、ゼミ論や定期試験、レポートを書く際には必ず役に立ちます。

6.他大学生や有名教授との交流
模擬裁判大会には、全国各地の優秀な学生が集まります。
大会で互いに激論を交わすのは、スポーツで力尽きるまで相手とぶつかり合うことに似ています。
対戦後には、力を出し切ったという清々しさで相手の健闘を称えあい、すぐに親しくなることができます。
また、大会には多くの著名な国際法学者の先生方や現役の弁護士の方、外務省の方が裁判官として参加されます。
日本そして世界の国際法学の舞台で活躍していらっしゃる先生方に、自分の意見を直接聞いていただき、
批評や質問をする、またとないチャンスを得ることが出来ます。
さらに、日本予選を勝ち抜いて国際大会に出場すれば、各国を代表する優秀な学生と交流することもできます。


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国際法とは?


国際法とは、一言で言えば「国家間での約束・取り決め」のことです。
主に「条約」や「慣習法」という形をとり、具体的な例としては、国連憲章や海洋法条約などがあげられます 。

では、「国際法」は「民法」や「刑法」などのいわゆる「国内法」と何が違うのでしょうか?
最大の違いは、国際法が規律する国際社会には、国内における政府や国会のような、中央権力が無いということです。
例えば、日本では国会や政府で法律が作られた場合、私たちはそれを守らなければならず、違反すれば逮捕されたり罰金を払わされたりします。
しかし、中央権力の無い国際社会では、自分が同意しなければ(相手国と条約を結ばなければ)義務を課されたり、守らなかったために罰せられることはありません。違反者に強制的に罪を償わせる、執行力を持つ機関がないのです。
それなら、条約を一つも結ばなければ、何をしても罪にならないのでしょうか?そうではありません。物事には例外があります。(そもそも、条約を一つも結ばずに国際社会で生きていくこと自体不可能ですが…)

国際社会には、「人権」などの必ず守らねばならない権利があります。国家が他国の人民を虐殺した場合など、 著しい権利侵害を行った場合、例えそれを違反とする条約に入っていなくても、その行為は「慣習法」によって規律されます。
この「慣習法」というのは、簡単に言うと「全世界が”これは守らねばならない”と思っている決まりごと」です。人権は守られねばならない、虐殺をしてはならない、というのは各国の一致するところです。したがってこれらは「慣習法」として国際社会を規律し、条約に入っていない国もこれに制約されるのです。国内法にも「慣習法」とされるものがありますが、国際法における慣習法は、それよりもかなり重要な位置を占めます。

このように、国際法は国内法とは全く異なる性質をもった法です。必ずしも、国内法のように成熟したものではないかもしれません。しかし、だからこそ柔軟でダイナミックな議論が可能なのです。
国際法について、詳しくは勉強会で説明していきます。模擬裁判だけでなく、国際法に興味があるという方も大歓迎ですので、奮ってご参加ください。

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